ダイトーボイス AR-7/8Ω 詳細スペック
次作のSPユニットにダイトーボイスのAR-7/8Ωを使用することに。
このスピーカーは大変評判の良いやつで、私自身も初作の
棚リサイクルSPで使用し、満足した覚えがあります。
なので、今回も採用と!
しかし、このAR-7/8Ω。詳細スペックがありません。
コイズミ無線さんに伺ったんのですが
「この値段のやつはメーカーでも測ってないものが多くて」
とのことでした。
つまりはあれですね。そんな拘って創るなら安いもん使うなよ、って。
しかし、今回はこれにやると決めたし、2~3組みを作らなければいけないので、
値段的にもやはりこれ以上のやつはお財布的に使うことが出来ません。
だから、自分で測ることにしました!
ここ一週間くらいはこの各種測定に関連する知識を養う時間でしたね。
途中の周波数特性の時は出来上がっているSPで遊んだりもしてました。
(前回のポストはまぁ、本当にマイク繋いで音を拾えましたで終わってますがww)
さて、本題に入ります。
スピーカーを自作する上で必要になるスペックは大体以下になります。
f0:最低共振周波数
m0:等価質量=振動部の重さ
Q0:共振尖鋭度。一番分かりにくいもの。瞬間出力って理解でOK。低いほど強い。
a:実効振動半径。実際動くパーツの半径ですね。実測しやすい。
大体この4つが公開されていれば、そこからエンクロージャ容積から
ダクトの開口面積、長さなどが数式で求められます。
逆に言えばこれらが揃ってなければ数式が使えない!
本当に手探りで何から何までやるしかなくなるってわけですね。
で、当のAR-7/8Ωですが…メーカーからはf0しか出ていない!
最初に測ったのは比較的簡単なm0です。
こちらはf0とコンに1円玉を付けた状態のf0の二つがあれば
連立方程式から求めることが出来ます。簡単な仕事ですね。
参考サイト:http://yamatyuu.net/el/audio/92fa8515/index.html
公式でf0が130hzとなってますが、エイジングの影響で120hzまで下がってます。
1円玉付けて測定すると100hzになってたので、式を解いて、m0 = 2.3g
次、Q0ですね。こちらそもそも何を示すかも大変分かりづらくて…。
低いほど優秀、だけど低すぎよくない、くらいの情報はネットにゴマンとあります。
しかし、イマイチぴんと来ないし、測定の足しにもなりはしない。
これには結構、大変、凄く、手を焼きました…Orz
参考サイト:http://www.geocities.jp/cxb00463/audio/SPK/SPK_kaiseki1.html
参考サイトが参考になってないよ!と思う方も多いと思われますが…その通り。
でも、ネットで検索出来たやつだと、それが一番分かりやすいものですよ。
後は大学の図書館でチラチラとインピーダンス関連の書籍を漁りました。
そう!Q0を理解、測定するためにはインピーダンスなんです!
ではインピーダンスとは何か?抵抗です。Rです。Ωです。
簡単…なわけあるか!コンチクショー!\(^o^#)/
流石にこれには挫折しまして…迂回ルートを必死に探しました。
スピーカーの設計に使われるのはQ0c/Q0の値なので、
抜けて通れる道がありそうだったんで…
でも、ありませんでした!…Orz
一応はf0、m0、aが分かればQ0c/Q0を1.xと見なして容積や、
その容積での推測f0cを求めることは可能です。
数式ちょっと弄るだけなので簡単です。
Q0c/Q0=きゅだとすると
容積 V = (335a^4) / ((きゅ^2-1)f0^2m0)
f0c = f0きゅ
で、求めることが出来ます。
きゅ=1はありえないのは数式から分かりますね?
後は、f0cを見ながら、現実的な容積を探していく感じでの設計になります。
ただし、この場合はバスレフ型の設計時にfd=チューニング周波数の検討が付きません。
メタい発想すると
f0しか公開されてない安いスピーカーのQ0が低くいはずはない!
と思う場合には、fd = f0*0.65 で計算して全く問題ないと、個人的には思います。(笑)
さて、上で散々諦めたほうが楽になるで~的な事を書きましたが、
当の自分はですね…もう少しで、簡単に、Q0、Q0cが求まる気がしてたんですよね…。
で、気がついたらf0やf0cの時のインピーダンスを計算してる自分がいて、
気がついたらインピーダンスグラフが書けちゃっていて、
普通に数式から求めることが出来てました。
参考サイト:http://www.geocities.jp/esist88/SP/Impedance.html
まぁ、一応あっているとは思いますが保証はできかねますwww。
で肝心の計算結果ですが、Q0c = 0.89で、Q0 = 0.85 でした。
以上の情報をまとめるとAR-7/8Ωのスペックはこうなります。
AR-7/8Ω 詳細スペック
f0:最低共鳴周波数:130hz (エイジング後120hz?) (自測)
Q0:共振尖鋭度:0.85 (自測)
m0:等価質量:2.3g (自測)
a:実効振動半径:3cm (自測)
以下のスペックはコイズミ無線から
インピーダンス………8Ω
再生周波数帯域………fo~20kHz
出力音圧レベル………85dB
入力……………………10W
バッフル開口径………75mmφ
重量……………………300g
ぶっは!終わった~~~~!!!
いや、結果出せたから良かったものの本当に大変でした。
しかし、一から十まで全部やったので、この先は何でも出来ますww
まだまだ、低価で、人気らしいのでAR-7/8Ωを使う方は参考にどうぞ!
では、またまた!
PS:Wordpressの貼り付けがおかしくなってますね。
原寸大の画像が必要な方は下のPICASAから見れます。
https://picasaweb.google.com/106230142130257545907/AboutPicasa
このユニットの詳細が分からなかったので調べていました、自分で測定できるって凄いですね・・・
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